WEEK 1 事前補講
ソフトを書く前に、まず「動かす対象」であるハードウェアを知る
回路図が読める・基本部品の役割が分かる・マイコンの全体像がつかめる ── ゴールは「マイコンの役割がイメージできる」状態
0.1 今回の位置づけ
0.2 ソフトウェア開発で電子回路を学ぶ目的
Lチカのコードは真似れば動いてしまう。だが実際には「特定のピンに電圧を出せ」とハードへ命令している──動く理屈は物理の側にある。
gpio_put(PIN, 1) と命じる0.3 今日の流れ
SECTION 1 / 回路の表現方法
1.1 実体配線図 ⇔ 回路図
部品の形・位置・配線の取り回しまで、現物に忠実に描く。
記号に置き換え「電気的に何と繋がるか」だけを描く。
線の長さや配置に意味はない。
1.2 回路記号
部品ごとに決まった図記号がある
記号を使うから、誰が描いても・どの国でも同じ回路図として読める
同じ「抵抗」でも規格に新旧がある
記号には「方言」がある。どちらを見ても戸惑わないように
1.3 一周のループと VCC / GND
電池の+から出た電流が、抵抗とLEDを通り−へ帰る。
電流は閉じたループでしか流れない。
同じ VCC どうし・同じ GND どうしは、線で結ばなくても繋がっているとみなす。「ここで繋がっている」という表現
1.4 GND = 電圧を測る基準点
GND(海面)からの高さとして各点の電位が決まる。
基準を変えれば同じ点の数値も変わる。
1.5 ネットとラベル


左の出力 PD1〜PD4 と右の入力 PD1〜PD4 は、線で結ばれていなくても 同じラベル=同じネット だから繋がっている
1.6 この章のまとめ:ここは覚えて次へ
SECTION 2 / 電子部品
部品は「種類」ではなく「何のために置かれているか」という用途で覚える。この4つの役割を一言で言える状態を目指す。




2.1 抵抗
2.1.1 オームの法則
直流でも交流でも、抵抗についてはこの関係が成り立つ
2.1.2 抵抗分圧
2.1.3 模擬衛星の抵抗分圧

2.1.4 分圧の抵抗値は「トレードオフ」で決まる
2.1.5 オームの法則は「経験則」
2.2 ダイオード
2.2.1 LED = 光るダイオード

2.2.2 IV特性
2.2.3 計算例
例:赤色LED「OSR5JA3Z74A」。電源 E=3V、順方向電圧 Vf≈2.0V、流したい電流 I=1mA
2.2.4 模擬衛星のダイオード

2.3 コンデンサ

2.3.1 コンデンサの主な用途
※バイパスコンデンサは高周波ノイズをGNDへ逃がす別の役割。構造は同じで「どこで何をするか」で呼び名が変わる
2.3.2 模擬衛星でのコンデンサ
2.3.3 コンデンサの種類
向きの区別なし。扱いやすい
逆向きにつなぐと壊れることがある。向きに注意
選定は模擬衛星ではハードが設計済みなので理解しなくてよい。将来選ぶ場面が来たら、データシートや定番構成を見ればよい
2.3.4 抵抗とコンデンサをつなぐとどうなる?
2.4 MOSFET
2.4.1 Nch と Pch
NchとPchは互いに逆の動作。この「逆の性格をもつペア」が、後で出てくる CMOS(Complementary MOS)の材料になる
2.4.2 模擬衛星のMOSFET
2.4.3 なんでMOSFETっていうの?
2.5 発展1:キルヒホッフの法則
ある点に流れ込む電流の合計と、流れ出る電流の合計は等しい
回路を一周すると、電圧の上り下りの合計は 0(山登りと同じ)
模擬衛星の単純な回路では、ここまで持ち出す場面はほぼない。興味があれば:この法則はマクスウェル方程式から導ける
2.6 発展2:回路図に描かれない「寄生成分」
配線は単なる線で、電気は瞬時に、そのまま伝わる。
配線にもわずかな抵抗があり、配線間には容量が生じる。
2.7 発展3:他の部品は、こうやって自分で学べる
2.8 この章のまとめ:ここは覚えて次へ
SECTION 3 / 部品の繋げ方
3.1 まず完成形:プリント基板(PCB)
3.2 なぜ試作が必要か
3.3 ブレッドボードの語源と発想
3.3.1 宇宙開発では試作品を「BBM」と呼ぶ
段階を踏んで、粗い試作から本番機へ近づけていく
3.4 ブレッドボードの内部構造
3.5 配線の例:LED点灯回路を組む
3.6 ショート(短絡)の危険と対策
電流の上限を設定でき、ショート時も電流を制限してくれる
3.7 ブレッドボードを過信しない
3.8 回路図をブレッドボードに起こす
3.9 この章のまとめ:ここは覚えて次へ
SECTION 4 / デジタルとアナログ
4.1 アナログ信号
4.2 デジタル信号
4.3 なぜデジタルが選ばれるのか
中間値がノイズで埋もれると復元できない。
HかLかだけなので、少々の揺れでは値が変わらない。
4.4 アナログとデジタルの橋渡し
4.5 この章のまとめ:ここは覚えて次へ
SECTION 5 / CMOSデジタル回路
5.1 CMOS:NchとPchのペアで論理を作る
5.2 H/Lの組み合わせが、やがて計算になる
5.3 マイコンの入出力ピンもCMOSでできている
5.4 この章のまとめ:ここは覚えて次へ
SECTION 6 / マイコンの全体像
6.1 マイコンは「回路とソフトの通訳」である
6.2 マイコン = CPU・メモリ・入出力が1チップ
6.3 模擬衛星でのマイコンの役割
6.4 マイコンチップ単体と開発用ボードは別物
演算の本体。これ単体では電源もUSBもなく、使いにくい。
例えるなら CPU。
チップに電源回路、USB、ピンを足したもの。
例えるなら CPUを載せたマザーボード一式。
試作はボードで行い、製品化するときはチップ単体を自分の基板に載せる
6.5 だからデータシートも2種類ある
6.6 実機での配線:PicoのGPIOとLEDを繋ぐ
6.7 ソフトウェアの書き込み:UF2ファイル
6.8 ソフトウェアからハードを操る
// Lチカのコード(抜粋) gpio_init(LED_PIN); gpio_set_dir(LED_PIN, GPIO_OUT); while (true) { gpio_put(LED_PIN, 1); sleep_ms(250); gpio_put(LED_PIN, 0); sleep_ms(250); }
6.9 C言語の1行がハードウェアを動かす
gpio_init(LED_PIN);このピンを使います、という準備gpio_set_dir(LED_PIN, GPIO_OUT);このピンを「出力」にします、という設定while (true) { ... }この中をずっと繰り返します(無限ループ)gpio_put(LED_PIN, 1);電圧を「高い(H=1)」に → LEDが点くsleep_ms(250);250ミリ秒だけ、そのままの状態で待ちますgpio_put(LED_PIN, 0);電圧を「低い(L=0)」に → LEDが消える6.10 この章のまとめ:ここは覚えて次へ
7. まとめ:今日の内容
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衛星開発ゼミ / ASTROCAMP-SAT
7.2 宿題:blink のコードを動かしてみる
resistor.jpgHaragayato(cropped by hidro)/Wikimedia Commons "Metal film resistor.jpg"/CC BY-SA 3.0diode_1n4148.jpgVonvon/Wikimedia Commons "Diode 1n4148.jpg"/CC BY-SA 3.0cap_electrolytic.jpgoomlout/Wikimedia Commons "47uf Electrolytic Capacitor.jpg"/CC BY-SA 2.0cap_ceramic.jpgXofc/Wikimedia Commons "CeramicCapacitor-220nF.jpg"/CC BY-SA 4.0breadboard.jpgLukeSurl/Wikimedia Commons "Breadboard.JPG"/CC BY-SA 3.0universal_board.jpgサンハヤト株式会社 ユニバーサル基板 ICB-288 商品ページの商品画像/© サンハヤト株式会社(出典明記のうえ教材で使用)breadboard_internal.png(ネットからダウンロードする汎用イラスト。取得時に作者・出典・ライセンスを確認し、ここに明記する)rp2040_chip.jpgThomas Glau/Wikimedia Commons "RP2040 Microcontroller (cropped)"/CC BY-SA 4.0pico_board.jpgLaserlicht/Wikimedia Commons "Raspberry pi pico.jpg"/CC BY-SA 4.0led_osr5ja3z74a.jpg秋月電子通商 商品ページ(OSR5JA3Z74A/通販コード111577)の商品画像/© 秋月電子通商(出典明記のうえ教材で使用)mosfet_2sk4017.jpg秋月電子通商 商品ページ(NchパワーMOSFET 2SK4017(Q)/通販コード107597)の商品画像/© 秋月電子通商(出典明記のうえ教材で使用)