模擬衛星実機の扱い方
合宿で模擬衛星の実機を扱うときの手順です。 書き込みの操作そのものは Pico W 単体への書き込み と同じで、このページは実機に固有の部分(電源の扱い、MAIN 基板との結線、開発中の決まりごと)を扱います。
搭載部品やピンアサインの仕様は コンポーネント詳細 が持っています。
1. 電源の扱い
Section titled “1. 電源の扱い”MAIN 基板への給電経路は3つあります。Pico W の USB ポート、電池ボックス、そして Debug1 コネクタの VBAT ピンです。
USB ポートからの給電は、電池とも VBAT とも併用できます。基板側に逆流防止ダイオードが入っているためです。
どの組み合わせが安全で、なぜそうなるのかは コンポーネント詳細(電源回路) を必ず読んでおいてください。
配線を変えるときは、必ず両方の機器の電源を切った状態で行います。
2. Debug Pico と MAIN 基板の接続
Section titled “2. Debug Pico と MAIN 基板の接続”MAIN 基板のデバッグ・通信ポートは Debug1(1x6 ピンヘッダ)として配置されています。
Debug Pico とジャンパ線で結線します。
MAIN 基板 Debug1 ピン |
信号名 | Debug Pico の接続ピン | 説明 |
|---|---|---|---|
| 1 | VBAT |
VBUS(40番ピン)または VSYS(39番ピン) |
Debug Pico から MAIN 基板へ給電する場合に接続します。 電池を使用する場合は接続しないでください。 |
| 2 | GND |
GND(任意の GND ピン。例:3番、8番、38番ピン) |
グランド(電位の基準)を共通にします(接続必須)。 |
| 3 | TX |
GP5(7番ピン / UART RX) |
OBC からのシリアルログ出力を Debug Pico で受信します。 |
| 4 | RX |
GP4(6番ピン / UART TX) |
Debug Pico から OBC への入力を送信します。 |
| 5 | SWDIO |
GP3(5番ピン / SWDIO) |
SWD デバッグデータ線(双方向データ通信)。 |
| 6 | SWCLK |
GP2(4番ピン / SWCLK) |
SWD デバッグクロック線(デバッグ同期用クロック)。 |
Pico W 単体のときと違い、UART の2本(TX と RX)も結線します。これで衛星のシリアルログを Debug Pico 経由で PC から読めます。
3. 書き込みとデバッグ実行
Section titled “3. 書き込みとデバッグ実行”- 上の表に従って Debug Pico と
Debug1コネクタを結線します。 - PC と Debug Pico を USB Micro-B ケーブルで接続します。
- MAIN 基板に電源を供給します(電池ボックスを使うか、電池を使わない場合は
VBATから給電します)。 - ファームウェアのプロジェクトフォルダを VS Code で開きます。
- F5 キーを押すと、ビルド、Debug Pico 経由の書き込み、デバッガ(GDB)によるデバッグ実行が自動で始まります。ブレークポイントを置いて実行を止め、変数の値を見ることができます。
デバッガを使わず手早く動作確認したいだけなら、Pico W 単体のときと同じく UF2 による書き込み も使えます。MAIN 基板上の Pico W の BOOTSEL ボタンを押しながら USB 接続してください。
4. 開発中の取り扱い
Section titled “4. 開発中の取り扱い”開発中は機体を固定します。 ベアリングで自由回転できる状態のまま吊り下げることは禁止です。 机の上で自由回転させた実機の挙動は本番と一致せず、試行錯誤の照合先にならないためです。姿勢制御はシミュレーション(SILS)で作り込み、実機ではモータでリアクションホイールだけを回します。
機体が実際に回るのを確かめられるのは打ち上げの中だけであり、打ち上げ中は内部を覗けずテレメトリだけが観測手段になります。 この制約の全体と理由は 概要とミッション の「制約」の節が持っています。着手前に読んでおいてください。